スポーツや運動の動きに、バランスの要素を取り入れたトレーニング法で、筋力や協調性を高める目的で行う。体の安定性やバランス能力を向上させるので、コアマッスルと呼ばれる体幹筋群の強化に大きな効果がある。理学療法の分野では、けがのリハビリテーション用のトレーニングとして以前から採用されてきたが、フィットネスの分野で注目されるようになったのは最近のことである。一般的なファンクショナルトレーニングでは、エクササイズボール、バランスボー、メディシンボール、チューブ、ミニトランポリンといった器具が使われることが多い。エクササイズとしては、バランスボード上で行うスクワットや、エクササイズボール上で行うダンベルエクササイズなどがある。海外からの研究報告によると、エクササイズボール上でクランチ(腹筋運動)を行うと、床の上で行った時より腹筋と下背部の筋群の活動量が大きく、バランス能力が向上したという。また、ひざの伸筋と屈筋のトレーニングを安定した面と不安定な面で行わせると、どちらのグループも筋力が向上したが、不安定な動作面で行ったほうが左右の筋力の差が少なかった。