長期間の走行や反復跳躍などにより、骨の同一部位に過度の負荷が加わることで起こる骨折。痛みはあるが、外傷性の骨折に比べて一般的には軽く、通常3~4週間でトレーニングを少しずつ再開できることが多い。腿骨や脛骨の疲労骨折は、手術的治療が必要になることもある。かっては行軍後の兵士に多く見られたので、行軍骨折ともいわれたが、最近ではスポーツ障害として注目されている。発生頻度では、陸上、サッカー、野球、バスケットボールなどの種目が上位を占めている。具体的には、スタートダッシュやハードル練習による中足骨疲労骨折、長距離持続走による脛骨疲労骨折、うさぎ跳びやバレーボールのローリング練習による腓骨疲労骨折が、よく知られている。最近では、ゴルフスイングによる肋骨の疲労骨折も、中高年の初心者の間で増えつつある。疲労骨折が見つかったら、運動はすぐに中止すべきである。