約2000年前の中国で体系化された中国伝統医学が本格的に日本に伝えられたのは、室町時代といわれる。これを基盤として、特に江戸時代の鎖国政策により日本独自の医学体系として発展していった。「漢方」という用語は、江戸後期に普及したオランダ医学の「蘭方」と自国の医学を区別するために使用したといわれる。漢方医学の三大古典は、中国の漢(紀元前202~後220年)の時代に書かれた『黄帝内経』(医学理論、鍼灸術)、『神農本草経』(薬物学書)、『傷寒雑病論』(薬物治療のバイブル)で、現在でもこれらは漢方治療を行う上で基本的書物として重要である。