アジア諸国の中には、西洋医学と漢方医学の医師はそれぞれ独立した医師免許が必要とされ、一人の医師が西洋医学と漢方医学の両方の治療をすることはできない国がある。しかし、日本では西洋医学を学び国家資格を持った医師が、漢方治療を行うシステムとなっている。1990年代前半は、大学医学部で学生教育に漢方医学を取り入れていたのは、旧・富山医科薬科大学(現・富山大学)と東京女子医科大学のみであったが、文部科学省が2001年3月27日に発表した「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議報告書」(座長は自治医科大学の高久史麿学長)の「医学教育モデル・コア・カリキュラム~教育内容ガイドライン~」で、医学教育の到達目標として「和漢薬を概説できる」ことが明記されたことから、05年度以降すべての大学医学部・医科大学で漢方医学の教育が導入された。