IPバージョン5は、ST-II(RFC1190)と呼ばれるリアルタイム通信を目指したストリーム型インターネット・プロトコル(IP)に割り当てられたバージョン番号である。実験的に用いられたものであり、ビデオや音声をリアルタイムストリームとして通信するための実験が行われた。しかし、インターネットの標準プロトコルで、4階層からなるTCP/IPにおけるインターネット層(OSI参照モデルの第3層「ネットワーク層」に相当)は、IPアドレスに基づき複数のコンピュータ間でのパケット送受信、つまりホスト間通信を実現するための層であり、ストリーミングなどのプロセス間通信を実現するのはトランスポート層(OSI参照モデルの第4層「トランスポート層」に相当)に分けられていることから、こうした通信はインターネット層で対応するのではなく、トランスポート層で対応することが望ましいとされており、実用はされていない。