セーフハーバー協定は、2000年に欧州委員会とアメリカとで合意された、米欧間の越境データ移転に関する二者間協定。欧州においては、EU外への個人情報(データ)移転はEUデータ保護指令に基づき、相手国において「十分な保護措置」がなされていると認定された場合にのみ認められる。しかし、アメリカでのプライバシー保護法制は、EUデータ保護指令や日本の個人情報保護法の様なオムニバス方式(統合方式)ではなく、個別事業分野ごとのセクトラル方式(分野別方式)で定められている。このため、十分な保護措置の認定が難しいとの判断から、アメリカ商務省が認証した企業のみ米欧間の個人情報(データ)移転を認めるための二者間協定として策定されたのがセーフハーバー協定で、01年7月1日付で施行された。ところが15年10月6日、欧州司法裁判所が本協定は無効であるとの判決を下した。これにより、欧州内で事業展開しているアメリカ企業のビジネスに大きな影響を及ぼすことが懸念されたため、欧州市民の個人情報をEUデータ保護指令に則って合法的にアメリカに移転するための新しい規定として誕生したのがプライバシーシールドである。16年7月12日に欧州委員会により採択され、同年8月1日から施行されている。