コンピューターの中に模擬的に実現された細胞のこと。細胞を構成するさまざまな遺伝子などの物質の働きをプログラムすることにより、工生命として「生きている」細胞をコンピューター内に実現できるようになってきた。このバーチャル細胞を材料に用いることで、本物の細胞ではできないような実験ができたり、本物の細胞の実験との違いを検討することによって新たな知見が得られたりする。
生命科学の研究の進展によって、多くの遺伝子情報が既に解読されている。それらの遺伝子の数はあまりに多く、個々の遺伝子の機能はともかく、遺伝子間の相互の関係をコンピューターなしに解明するのはもはや不可能なので、このバーチャル細胞を使うことになる。