複雑なソフトウエアを構成するための方法論の一つ。独自の内部データと手続きをもつソフトウエアの単位をオブジェクトと呼ぶ。それぞれのオブジェクトを部品と見なしそれをつなぎ合わせることで、複雑なソフトウエアを構成しようという考え方を、オブジェクト指向と呼ぶ。従来のソフトウエアはデータと手続きを切り離して考えていたが、オブジェクト指向はデータとそれに伴う手続きを一体化して扱うのである。オブジェクト間の基本的な関係としては抽象化(犬と忠犬ハチ公の関係)や特殊化(動物と犬の関係)があり、前者はクラスとインスタンスとして、後者は性質の継承としてそれぞれ実現されている。オブジェクト指向のアイデアが出されたのは1970年代初頭で、現在はプログラミング言語、データベースを始め情報科学のあらゆる分野で主導的な考え方となっている。