事例に基づく推論とは、(1)過去に経験した事例(問題・解答・解答を得る筋道)を事例ベースと呼ばれる知識ベースに蓄えておく、(2)新たな問題の解答を得たいときは、まずその問題に類似した既知の問題を事例ベースから検索する、(3)その既知の問題を利用することで当該問題の解答を得る、(4)当該問題をその解答や解答を得た筋道とともに事例ベースに収納する、という推論方式である。従来の推論方式がもっぱら知識をプロダクション・システムの規則の形で表すのに対し、事例に基づく推論では知識を事例で表すのが特徴である。エキスパートシステムの設計方法論の一つとされる。