アメリカが2015年11月に制定した宇宙商業利用に関する法律。宇宙法(SPACE Act)は宇宙における民間の活動に関する包括的な法律で、15年の改正を「2015年宇宙法」と呼ぶ。世界で初めて、地球以外の天体の天然資源を民間企業が利用することを法的に認めた。宇宙空間の領有は、国連の宇宙条約(1967年)で禁止されており、アメリカは同条約を批准している。そのため、2015年宇宙法では、公海における漁業など天然資源の採取と同じく、「宇宙における領有はできないが、そこに存在する天然資源は民間が利用可能」という法理を採用して、アメリカ国民は宇宙空間の天然資源を利用する権利を持つと定めた。ただし、この論理には、一部の法学者から疑義が出されてもいる。同法が成立した背景には、アメリカで宇宙資源の利用を目指すベンチャーが立ち上がり、法的根拠を明確にしておく必要が出てきたとの事情がある。16年初めにはルクセンブルクがアメリカに追従し、宇宙資源関連法を整備して、関連ベンチャーを同国内に呼び込む考えを明らかにした。