敵に発見されないステルス性(stealth)と高機動性を兼ね備えた、新世代の国産戦闘機を開発するための技術実証機で、防衛省が2008年度から研究作業を開始している。ステルス形状、高運動飛行制御、新複合材料素材といった新しい技術を統合化するもので、高運動飛行制御システム、実証エンジン(IHIが開発するXF-5)、多機能RFセンサーといった、これまでに研究を行ってきた新世代戦闘機開発に必要な要素を盛り込む。この先進技術実証機(ATD-X)はATD-X 心神と名づけられていて、機体は三菱重工業が製造する。12年3月に組み立てを開始、16年4月22日に初飛行して、6月13日に防衛省に納入されて、X-2の制式名称が付けられた。今後は航空自衛隊岐阜基地で防衛装備庁により、戦闘機技術の成立確認や運用性の検証などを目的とした飛行試験(実際の飛行業務は飛行開発実験団が担当)を約2年間にわたって実施し、その結果を今後の航空機開発の判断材料にするなどしていくことになっている。