ボーイング747シリーズの最新型で、747-400を大型化するとともに、787で開発された新技術を導入した機体。旅客型の747-8インターコンチネンタル(I)と純貨物型の747-8フレイター(F)が開発されている。先に受注したのは747-8Fで、2005年11月14日にカーゴルクスと日本貨物航空からの確定発注を得て、プログラムをスタートさせた。06年12月6日には、ドイツのルフトハンザ航空が747-8Iを発注している。
747-8は、747-400の胴体を5.58メートル延長するが、747-8Fでは上部デッキ部は延長されない。主翼端は787スタイルの、レイクド・ウイングチップ(raked wingtip)と呼ぶ傾斜翼端を備える。胴体の延長により、747-8Iは747-400よりも15%ほど多い467人の乗客を収容でき、また747-8Fは貨物室容積が121立方メートル増加している。満載時の標準航続距離は、747-8Iが1万4816キロ、747-8Fが8275キロ。エンジンは選択制ではなく、ゼネラル・エレクトリックGEnxのみを使用する。操縦装置は、基本的に747-400を受け継ぐが、主翼の操縦翼面はコンピューターによるフライ・バイ・ワイヤ制御になる。747-8Fは10年2月8日に初飛行して、11年10月12日にカーゴルクスに初納入された。747-8Iは11年3月20日に初飛行し12月14日に型式証明を取得、12年6月にルフトハンザ航空で就航を開始した。日本では、日本貨物航空が747-8Fの導入を行っているが、旅客型を購入した航空会社はない。このため14年3月に全日本空輸から747-400Dが退役したことで、日本の航空会社から旅客型の747が姿を消した(貨物型は747-400Fと747-8Fが日本貨物航空で使用されている)。