アメリカの統合攻撃戦闘機(JSF)計画で2001年10月26日に採用が決定した多用途戦闘機。アメリカ空軍でF-16とA-10、アメリカ海軍でF/A-18A~D、アメリカ海兵隊でF/A-18A~DとAV-8Bの後継機として装備することが決まっている。各軍で運用要求が異なるため、同一の基本設計を使用しつつ、空軍向けの通常離着陸(CTOL)型のF-35A、海兵隊向けの短距離離陸垂直着陸(STOVL)型のF-35B、海軍向けの艦上(CV)型のF-35Cが開発されている。また計画当初からイギリス空・海軍も装備を決めていて、当初はF-35Bを導入する計画だったが、現在ではF-35Cに変更されている。
開発用初号機は06年12月15日に初飛行し、続いて15機の試験機が作られて13年2月14日までに全機が初飛行した。内訳はF-35Aが4機、F-35Bが5機、F-35Cが5機、ほかにAA-1があって、合計15機。またすでに量産型も製造されていて、11年末までに6機のF-35Aが空軍の訓練部隊基地に配備されている。開発作業に遅れが出たことから、アメリカ空軍での本格的な実戦就役は18年になる予定である。これまでのところアメリカとイギリス以外では、オーストラリア、カナダ、イタリア、オランダ、ノルウェー、トルコ、イスラエルが導入を計画しており、また11年12月20日には航空自衛隊もF-35Aを新戦闘機として装備することを決定した。航空自衛隊向けのF-35Aは、5号機以降は三菱重工業により国内で最終組立が行われており、17年6月5日に完成初号機が公開され、6月13日に初飛行した。航空自衛隊におけるF-35A最初の飛行隊配備基地は三沢基地で、17年12月に臨時飛行隊が編成されて、18年末に第302飛行隊となる。