イギリス、ドイツ、イタリア、スペインの4カ国が共同で開発した新世代戦闘機。各国間の調整や、冷戦の終結にともなう東西ドイツの統合などで計画は大幅に遅れ、何度かの見直しの末、1992年12月に正式に開発が決まった。機体は双発のカナード翼付き無尾翼デルタ機で、運動性を高めるため不安定にした機体を、コンピューターによるフライ・バイ・ワイヤ操縦装置で制御している。レーダーはキャプターと呼ばれる通常型のものだが、アクティブ式のフェイズド・アレイ・レーダー(キャプターE)の開発が決まり2018年の実用化を目指している。また、エンジンについても、要求は出ていないが、推力変向式排気口の研究作業が進められている。
初号機は1994年3月27日に初飛行した。4カ国の共同プロジェクトのため、最初から638機の生産計画が立てられた。加えてオーストリア(15機)とサウジアラビア(78機)、オマーン(12機)、クウェート(28機)、カタール(24機)も装備を決めている。プログラム設立の4か国は装備機数の見直しにより若干購入機数が減り、イギリスが160機、ドイツが143機、イタリアが96機、スペインが73機となったが、それでも総数623機という、近年戦闘機計画としてはビッグ・プロジェクトになっている。