スホーイが開発した大型の迎撃/制空戦闘機がSu-27“フランカー”で、1985年にソ連(当時)空軍で就役を開始した。潜在的に高い発展性を有していた“フランカー”はその後、各種の発展派生型が作られている。
Su-30はカナード翼を付けた多用途戦術機型で、Su-30MK以降ではエンジンに推力変向式排気口も備えられた。コクピットを並列複座にした戦闘爆撃機型がSu-32で、試作機はSu-27IB、スホーイではSu-34と呼んでいるが、装備を計画しているロシア空軍ではSu-32の名称を使用している。機首には多機能の高解像度フェイズド・アレイ・レーダーを装備し、計器盤にはカラーの多機能表示装置が導入されている。全天候の対航空戦闘および対地攻撃型とするのがSu-35で、それに推力変向式の排気口を付けたのがSu-37。Su-35/-37では、実証機は作られているが資金難などでロシア空軍は採用を見送った。
Su-35のうち、レーダーの改良などにより、空対空戦闘能力を高めたのがSu-35S“フランカーE”で、ロシア空軍がまず48機を発注、2015年から部隊配備を開始する計画とされているが、16年3月時点では未確認。この機種には、カナード翼はない。スホーイは、08年からSu-35の新しいタイプ(Su-35S)の飛行試験を開始しており、この機体にはアクティブ式のフェイズド・アレイ・レーダーや統合型飛行操縦システムなど、最新の技術が導入されている。ロシア空軍が導入を考えているのはこの新しいタイプのSu-35である。Su-27とSu-30は輸出も行われていて、ロシア空軍以外にも中国空・海軍、インド空軍などでも使われており、中国では現地生産も行われている。