旅客機などの大型機では、操縦室乗員は2人以上となっており、こうした複数の運航乗員による航空機だけの操縦に限定したパイロット免許を設けようというプログラム。これまでは大型機乗員も、自家用単発機の免許取得から始まって、段階的に上級の免許を取得してきたが、これだと大型機の操縦資格を取得するまでに時間がかかる。
その一方で、例えば自家用単発機の操縦技量は、大型機の操縦には不要なものもあり、こうした課程を大幅に省略することで、旅客機などのパイロットの養成期間を短縮することを目的としている。特に今後20年間で、世界中で必要となる新しい旅客機のパイロット数の急増が見込まれることから、研究が行われている。2006年に試験プログラムを開始し、08年11月には中国の航空会社の学生パイロットが教育を修了し、資格を取得している。日本でも段階的に導入が行われていて、日本航空、全日本空輸のパイロット自社養成での適用が認められている。