地上の電波局が発信している電波をとらえることで航空機の航法を行うための装置で、無線航法用の地上援助施設としては無指向性無線標識(NDB ; non-directional radio beacon)局、超短波全方向式無線標識(VOR ; VHF omni-directional range)局、距離測定装置(DME ; distance measuring equipment)局がある。NDBでは、二つのNDB局からの電波をとらえることで、その交点が自分の位置であることを把握できる。VORは、VOR局の電波をとらえることで発信局の磁方位を知ることができ、DME局の電波では発信局までの距離を知ることができる。したがってVOR局とDME局が併設されているVOR/DME局があれば、発信局の磁方位と距離が同時に分かるので、その局だけで自分の位置が把握できる。また軍用機用に開発された戦術航空航法装置(TACAN ; tactical air navigation)とVORを併設したものがVORTACで、VOR/DMEと同じ機能を果たす。