外部からの電波などの航法援助なしに、航空機に搭載している独自の装置により必要な情報が得られる航法装置で、3軸にそれぞれ加速度計とジャイロ(gyro)があり、航空機の動きで検出された加速度を1回積分して対地速度、2回積分して出発点からの移動距離が計算され、現在地点が求められる。INSから得られる情報としては、(1)現在位置(緯度、経度)、(2)針路および偏流角、(3)航跡および対地速度、(4)風向および風速、(5)予定航路からの変位、(6)次の通過点までの距離と所要時間、がある。
慣性航法装置の機械式ジャイロ・ジンバル(gyro gimbal)に代えて、リング・レーザー式ジャイロのセンサーを活用した装置が慣性基準装置で、リング・レーザー・ジャイロには、従来のジャイロのような回転コマがなく、反対方向に回転する2つのレーザー・ビーム間の周波数変化を測定するため、航法精度が向上している。また機械式作動部が少ないため、整備性と信頼性も高められている。得られる情報や機能などは、慣性航法装置と同じ。