航法衛星から出されている電波を受信することで自分の位置を知る航法装置で、アメリカが打ち上げている全地球測位システム(GPS)衛星がその代表である。GPSでは、高度約2万キロの6つの軌道上に各4個が配置されていて、常に4個以上の衛星から電波を受信することで、正確な現在位置を割り出すことのできる航法システム。慣性航法装置や慣性基準システムよりも高い精度で位置を把握でき、航空機の航法装置として使われているほか、精密誘導兵器の誘導装置にも使用されている。日本でも、準天頂衛星システムの名称で独自のシステムの構築を進めていて、「みちびき」と名付けた衛星を打ち上げている。2018年に4機態勢で運用が始まり、2023年には7機態勢になる予定。4機態勢が完成すると、日本に限っていえば、現在のGPSによる10メートル程度の誤差が6センチ程度になって、格段に精度が向上する。