中国独自開発の新第4世代戦闘機。中国は現在も戦闘機の独自開発を続けており、実戦配備されている中で最新のものが、成都殲撃10型(J-10)である。無尾翼デルタにカナード翼を組み合わせた単発の戦闘攻撃機で、1996年中ごろに試作機が初飛行し、2003年から人民解放空軍部隊への配備が開始された。レーダーやエンジンにはロシア製のものを使用しており、最大で4500キロの兵装類を搭載することができる。J-10の基本型J-10Aのエンジンに推力変向式排気口を付け、またレーダーをパッシブ式フェイズド・アレイ型とした能力向上型がJ-10Bで、空気取り入れ口の形状も変更された。
また単座のJ-10Aを複座にしたのがJ-10Sで転換訓練などに使われるタイプである。また複座で多用途戦闘機としたのがJ-10Bで、前部胴体を延長するとともに、ドーサル・スパインを大型化して追加の機材や燃料の搭載を可能にしているという。J-10Sは、J-10Bの後席搭乗員を兵装システム操作員(WSO)とし、高度な対地攻撃ミッションにも使用できるようにした。J-10Bのレーダーをアクティブ電子走査アレイ型のものにしたのがJ-10Cで、エンジンをパワーアップ型にするとともに、コンフォーマル型燃料タンクの装着を可能にするJ-10Dも開発されている。中国人民解放軍空軍で240機以上が、人民解放軍海軍航空部隊で24機以上が実戦配備されているとみられる。J-10はパキスタン空軍も36機を導入することにしており、パキスタン空軍ではFC-20と呼んでいる。