日本では2011年に3社の新規航空会社が設立された。いずれも、より本格的な低運賃航空会社(LCC、格安航空会社ともいう)としての運航を行う。その3社の概要は次の通り。
(1)Peach(ピーチ)は11年2月10日の設立。5月24日に社名をPeach Aviation(ピーチ・アビエーション)に変更。全日本空輸(38.67%)、ファーストイースタン・インベストメントグループ(33.3%)、産業革新機構(28.0%)の共同出資。関西国際空港を拠点に、エアバスA320を使用して国内線と近距離国際線を運航している。就航開始は12年3月1日。
(2)エアアジア・ジャパンは、現在のバニラエアの前身で、11年8月31日の設立。全日本空輸(67%)とエアアジア(33.3%)の共同出資だった。成田国際空港を拠点に、エアバスA320を使用して国内線と近距離国際線を運航していた。就航開始は12年8月1日。その後、全日本空輸は13年6月にエアアジアとの提携を解消し、エアアジア・ジャパンの運航停止を決定。13年10月26日に最終便の運航を行った。13年11月1日には称号をバニラエアに変更、12月20日に運航を開始している。なお、提携を解消したエアアジアは、14年7月1日に上記とは別企業として新たにエアアジア・ジャパンを設立し、16年4月の運航開始を予定していたが、経営陣の交代や安全管理態勢の構築に時間を要したことなどから遅れが生じて、17年10月29日に中部~新千歳線で運航を開始した。出資は、マレーシアのエアアジア・インベストメントが33%、日本の楽天、ノエビア・ホールディングス、アルペンが各18%などとなっている。
(3)ジェットスター・ジャパンは11年10月7日の設立。三菱商事(33.4%)、日本航空(33.3%)、ジェットスター(33.3%)の共同出資。就航開始は12年7月3日。エアバスA320を使用して成田~新千歳、その後成田~釜山線などで運航を開始した。
このほか、 12年9月7日には、中国のLCCである春秋航空が出資する関連会社の日本企業として、春秋航空日本が設立された。出資比率は、春秋航空が33%、日本企業の山佐が25%など。使用機は、ボーイング737-800。