アメリカ海軍の要求に基づいて開発された、垂直離着陸型無人機。実際のヘリコプターをベースに無人機化されている。最初のタイプがMQ-8Aで、シュワイザー300ピストン・エンジン機を活用して作られ、2002年に初飛行した。続いてタービン・エンジンのシュワイザー330/333をベースにしたMQ-8Bが作られ、センサー搭載方式の変更や戦術統制システムや共通データリンクの装備などにより、複数機の効率的な運用を実現した。より新しいタイプがMQ-8Cで、機体規模が2倍程度大きなベル407をベースにしたもので、10年12月23日に実証機が初飛行した。偵察・情報収集に加えて、対地・対艦ミサイルによる攻撃能力も備える。開発作業が順調に進めば、14年から実用機の艦上配備が開始される予定とされていたが、遅れが出ている。防衛省は、14~18年度を対象期間とする中期防衛力整備計画で、海上自衛隊向けに哨戒機能を有する艦載無人機を導入する計画を立てており、機数はSH-60Kの装備機数の範囲内で追加的に整備するとされている。どのようなタイプが海上自衛隊の運用要求に合うかにもよるが、MQ-8ファイアスカウトが有力候補機種の一つであることは確かである。