PAK DAは長距離部隊向け将来航空機システムの略で、ロシアによる空軍向け新戦略爆撃機計画のことである。ツポレフが開発の担当に指名されて、2014年に設計作業を開始したと伝えられるが、機体の形状も含めて、詳細は不明。ただロシアもアメリカと同様に、新しい爆撃機には極めて高いステルス性が必要と考えており、アメリカの戦略爆撃機B-2やB-21と同様の全翼機になる可能性は非常に高いと見られている。エンジンの数は、おそらくは4基で、空気取り入れ口は主翼前縁に開口部を持ち、排気口は後縁に設けられることになると見られる。ただ、エンジンにより大きな空気を送り込む必要が生じれば、空気取り入れ口はB-2のように機体上面に移されることになろう。乗員は、パイロット2名にミッション・クルー2名の4名になる可能性が高いといわれる。爆撃機としての能力は、30トン程度の兵装を搭載して6740海里(1万2480キロ)の航続力を持つものになるとされていて、搭載兵器としては、新しい精密誘導兵器のほか極超音兵器も開発しているとされる。高いステルス性を維持するのであればこれら兵器は当然、すべてが胴体内兵器倉に収められることになる。2019年に試作機が初飛行し、2020年には量産を開始して、2025年に完全就役を目指すというスケジュールだというが、初飛行が2021年になるとの見方もある。実際にこうした機種であれば、初飛行の1年余り前には完成していなければならないと考えられることから、2018年時点で姿が見えないのであれば、よりゆっくりとしたスケジュールの方が現実的だし、それがさらに遅れる可能性もある。