世界の民間航空における旅客需要は着実に伸び続けていて、その結果旅客機の数も増加し続けている。多くの将来予測が、20年後には旅客機の機数が2倍になると見ている。このことは単純に計算すれば旅客機のパイロット数も20年後には2倍になっていなければならないことになり、それを可能にする様々な対策が採られている。アメリカや中国などで進められている対策の一つは養成期間を短縮するというもので、すでにこの新しい訓練シラバスで資格を取得し乗務しているパイロットが出ている。そのほかにも、定年の延長や再雇用、軍などからの転職などの方策も採られている。日本は、経済が急速に成長している国に比べると深刻度は低いが、短期的にはパイロットのやりくりがつかず定期便を運休した航空会社も出た。また過去の雇用が安定的でなかったことから、2030年頃にパイロット不足問題が起きるとの指摘もある。将来を見据えると、安定的な人材の育成と雇用が不可欠である。