民間機、軍用機を問わず、飛行中の航空機から装備品やパネルなど、機体の一部が落下する事故が時折発生している。なかでも2017年9月13日に大阪で起きたKLMオランダ航空のボーイング777からのパネルの落下では、地上の車に当たるという被害が出ている。過去の落下事故でも、家の屋根を突き破るなどの部分的損害は起きているが、日本国内では、人的被害は起きていない。国土交通省によれば国内での旅客機からの部品等の落下は年間50~60件程度起きており、また航空自衛隊機(戦闘機のみに限定)では2012年度から17年度で少なくとも117件の部品等の落下が確認されている。国土交通省では、航空会社に落下を防ぐ点検方法の確立を求め、また落下事故が起きた場合の罰則を定めるなどして防止を図ることを計画している。ただ、落下しそうなものの有無を点検などで完全に見極めることは極めて困難であり、対策に限界があることも事実である。また、例えば雨の中離陸をした航空機の扉の内側に水がたまると、飛行中に氷結し、振動などによりそれが落下するという事象も少なからず起きており、自然現象による落下を防ぐことは、現実的に不可能である。