半導体レーザーのうち、活性層の厚さを量子サイズ効果が得られる程度(通常5~10nm)まで薄くして、バンドギャップ(禁制帯幅)のより大きい障壁層で挟んだ構造(量子井戸構造)(QW quantum well)としたもの。
少ない注入電流で発振すること、波長の単色性が良いこと、変調特性に優れること、温度特性が良いことなどから、主流の構造となっている。光利得をかせぐため、多重量子井戸構造(MQW multi quantum well)とすることが多く、さらに量子井戸に歪(ひずみ)を加えて半導体の性質を改良した歪量子井戸も多く用いられている。また、微細な島状の活性層を有する量子ドット(量子箱)半導体レーザー(QD-LD quantum dot laser diode)も結晶成長における自己形成技術の向上に伴って、性能が向上しており、より温度特性等に優れたレーザーとして期待が高い。