半導体産業の売上高は1960年代から50年近くにわたり、平均年率16%程度で成長を続けている。しかし細かく見ると前年比30%以上も増加する年と減少する年があり、このため投資のタイミングが非常に難しいとされている。90年ごろまでは、4年に1回オリンピックの年に不況になると言われていたが、最近ではむしろ世界の景気を反映して浮沈を繰り返している。日本の半導体メーカーは90年ごろには世界のトップ10に6社ほど入っていたが、現在では2社のみと寂しい状況である。
その原因は、日本の会社がキャッシュフロー経営を主軸にしていたため、好況時に投資して生産余力が出たときには不況に入って減産し、一方不況時には投資しないため好況時に生産余力がなく、むざむざ市場を取られるということを、15年ほど繰り返してきたためと言われている。このため89年には世界市場の50%以上を占めていた日本の市場占有率が現在では10%程度となってしまっている。