ある種の結晶に特定の方向に力を加えると応力に比例した電気分極が生じ、結晶の表面に電荷が現れる現象で、ピエゾ効果ともいう。これらの現象を示す物質は圧電体と呼ばれ、特に圧電効果を有する半導体を圧電半導体という。逆に、これらの結晶に電界を加えると、ひずみを生じて変形する現象も含めて圧電効果とよぶ場合もある(逆圧電効果ともいう)。この現象によって電気的エネルギーと機械的エネルギーとの変換ができるので、発振器、水晶時計、点火装置等に古くから使われているが、最近では圧電素子STM(走査型トンネル顕微鏡)やAFM(原子間力顕微鏡)の高精度な位置制御にも用いられている。