コンデンサーは電気容量(静電容量、キャパシタンスともいう)により電荷あるいは電気エネルギーを蓄えたり(蓄電器)、放出したりする受動素子である。英語圏では、「コンデンサー」は復水器などの熱交換によって高温で気体になった物質を液体に戻す装置を指すことが多く、蓄電器の意味では「キャパシター」の名称が主に用いられている。単純化したコンデンサー構造は、誘電体(絶縁体)を介した2枚の電気伝導体平板であり、これに電圧を加えると電荷が蓄えられる。使用電気容量、電圧範囲、周波数特性など目的によって、様々な構造のコンデンサーが使われ、種々の名称で分類されている。電源回路での用途ではアルミ電解コンデンサーを中心として、セラミックコンデンサーやタンタルコンデンサーが使われる。積層セラミックコンデンサーは、誘電体層の薄型化と新しい誘電体材料の開発により小型化と大容量化が進んでいる。通常使われるコンデンサーの電気容量は数pF(ピコファラッド)~数万μF(マイクロファラッド)程度であるが、電解液-電極界面に形成される電気二重層を用いて蓄電する電気二重層コンデンサーでは数千F(ファラッド)以上の大容量となる。そのため、バックアップ電源や電力貯蔵用にも使用され始めている。