熱電効果を利用して、熱エネルギーから電気エネルギーに、あるいはその逆に変換する素子をいう。熱電変換素子として代表的なものに、熱電対、電子冷凍素子(ペルチェ素子)がある。熱電対は、二種の金属線を接続して閉回路を作り、二つの接点を異なる温度に保つと、接点間に熱起電力が生じるというゼーベック効果を利用したもので、両端の電圧を測定して温度を測る。いくつかの標準的な物質の組み合わせがJIS等で決まっており、測温が容易なことから、工業用や研究用に多用されている。電子冷凍は、異種の導体や半導体の接触面を通して電流が流れるとき、その接触面でジュール熱以外の熱の発生、吸収が起こるペルチェ効果を利用したもので、-20~+70℃程度の範囲で精密に温度制御が必要な場合などによく使われる。