固体結晶は、原子・分子の位置および方向が完全な規則性をもつ状態であり、液体はそれが完全に不規則な状態である。その中間状態にある物質が液晶である。液晶状態になる物質は数千種類が知られている。液晶は分子配列により、3種類に分類される。ネマチック液晶(nematic liquid crystal)では分子位置に規則性はないが、分子軸は一方向に向いており、電圧によって透明度が変わる。一方、コレステリック液晶(cholesteric liquid crystal)では分子は全体として右旋回あるいは左旋回しながらある一方向を向いており、温度によって色が変化する。スメクチック液晶(smectic liquid crystal)は前の二つの液晶に対して配列がより規則正しく、分子は層をなしている。層の面内では分子の位置に規則性はないが、面に垂直な方向には規則性をもって一方向を向いている。液晶は温度、電界、磁界など外の条件が変化すると内部の分子の方向性が変わり、色や透明度など光学的変化を示すので温度計などのセンサー素子や、電卓、時計、超薄型テレビ、最近の携帯情報機器などの表示装置に応用されている。液晶パネルや液晶テレビにおいて使われる、ねじれネマチック液晶(twisted nematic liquid crystal、略してTN液晶)の用語は液晶駆動方式による分類によるものである。