磁気テープは、磁性体材料をテープ状のフィルムにバインダー(接着剤)で塗布または蒸着した記録媒体で、磁化の変化により情報を記録・再生する磁気記録メディア。着脱可能な外部記憶装置の一種で、記憶容量からみた価格が安価である。用途によりオーディオ用、ビデオ用、データ/コンピューター用などがある。また、オーディオやビデオ用にはアナログ記録方式とデジタル記録方式がある。ほかのディスク型の装置などに比べ読み書きの速度が遅く、特定の部分の記憶内容を読み書き(ランダムアクセス)することができないが、停電でもデータは失われないなどの特性がある。こうした特徴から、主に企業内でのハードディスクのバックアップに用いられる。各種デジタル記録メディアの開発・普及とともに次第に用いられなくなり、その役割を終えつつあったが、大容量化技術と長期保存性記録材料が開発されたことに加え、一般向けクラウドストレージサービスの増加により、2010年頃からデータ用テープの生産量が増加している。また東日本大震災以降は、ハードディスクドライブに対するコスト面での優位性から自治体がバックアップ用として新規に導入する事例やテープ保管サービスの利用が増えている。