ガスタービンや燃料電池などで発電し、その排熱を利用して蒸気タービンを駆動するハイブリッドの発電方式。コンバインドサイクル方式ともいう。複合サイクルの組み合わせはさまざまであるが、実用化に向けて開発が進んでいる方式として、LNG複合発電、加圧流動床複合発電、石炭ガス化複合発電、燃料電池複合発電などがある。その中で最も開発が進んでいるのが、液化天然ガス(LNG ; liquefied natural gas)を燃料として高温ガスタービンを駆動し、その排熱を利用して蒸気タービンを駆動するLNG複合発電である。その方式は、基本的には排気再燃式と排熱回収式の二つに大別できる。前者は、ガスタービンの排ガスに燃料を追加して、ボイラーで温度を上昇させ汽力発電と同様の熱回収を図るものである。後者は、燃料の追加なしにガスタービンの排ガスから排熱回収ボイラーで熱回収するものである。実際に導入されているプラントのほとんどは排気回収式で、熱効率の改善からガスタービンの性能が年々向上してきている。最近では、ガスタービンの入り口温度が1300℃級から1500℃級にまで高まっており、複合発電にしたプラント熱効率は55%以上にもなっている。