蓄熱システムは、ビルや工場の変動のある熱需要に対する負荷平準化対策法の一つで、建物の構造躯体などを利用するパッシブ蓄熱と蓄熱材を利用するアクティブ蓄熱に分類される。アクティブ蓄熱は、システム蓄熱とも呼ばれ、熱を生産する熱源機器と消費する負荷との間に蓄熱材を介在させて両者の時間的なズレを調整するシステムである。蓄熱材の種類によって、さらに、水や固体物質の顕熱、氷や熱水などの潜熱、それに水和物や包接化合物(クラスレート)の化学反応熱を利用する方式に分かれる。近年、事務所ビル等の冷房負荷の増大から、夜間電力を利用した水蓄熱や氷蓄熱が急速に普及している。