半導体中に電界を加えると励起によって特定波長の光を放出する現象はエレクトロルミネッセンス(EL)効果と呼ばれており、その効果を利用して発光させる半導体素子を発光ダイオードという。発光物が有機物か無機物かによって区別されており、前者は有機EL、後者は無機ELと呼ばれる。放出される光には、赤・緑・オレンジなどの種類があり、最近になって青色ダイオードが実用化され、赤・青・緑の光の三原色がそろった。発光ダイオードは、ある電圧を超えると電流が急に増え始め、電流量に応じて光を発するようになる。電圧は発光色の波長が短くなるほど大きくなり、赤外では1.4V程度、赤・黄・緑では2.1V程度、青では3.5V程度、紫外線では4.5~6Vである。発光時の電流は用途によって違い、表示灯では数mAから50mA、照明用になると1Aを超えるものもある。発光ダイオードの寿命は白熱電球に比べてかなり長く、素子そのものはほとんど永久に使える。使用不能になる原因は、電極部分の酸化や劣化、衝撃などによる断線、それに逆方向に電圧をかけるといった操作ミスによる破壊などである。