オーストリア生まれのトーマス・ゴールド(Thomas Gold)博士が提唱した、炭化水素の起源に関する説。この説は、ダイヤモンドが地下150~300kmにおいて高温・高圧にさらされた無機成因の炭素から直接生成されるという考えから生まれたものである。炭化水素は、大昔の生物の死骸が地下に埋もれて高温・高圧のもとで分解して生成されたとする有機起源説が定説となっている。無機起源説の考え方は、地球など惑星内部には膨大な量の炭素があり、その一部分は岩石よりも軽い炭化水素の形で存在し、地表へゆっくりと染み出し、ガス田や油田を形成するというものである。ゴールド博士は、2003年のScientific American誌に、炭化水素は地球の内核で放射線の作用により発生すると発表している。