電極と被加熱物との間にアーク放電を発生させ、アークのエネルギーを被加熱物へ伝えて加熱する方法。アーク放電の中では、電子、中性粒子、イオンが存在するプラズマが形成されており、大きな運動エネルギーをもった電子が衝突によって中性粒子やイオンにエネルギーを与えている。アーク放電は、温度や気体の種類にもよるが、0.1~0.01Ωcmと低い抵抗率で、比較的低い電圧で大きな電流を流している。アーク加熱には、加熱される物体自体を電極としてアークを発生させ加熱する直接アーク加熱方式と、黒鉛など消耗式の電極と被加熱物との間にアークを発生させて加熱する間接アーク加熱方式がある。また、アーク放電をノズルやガス流で拘束して加熱するアーク・プラズマ加熱もある。この方式は、アーク加熱に比べて装置が複雑になるものの、より高い指向性と高温を得ることができる特徴を有している。