遺伝子組み換え技術によって、新しい性質を付与した農作物のこと。アメリカのカルジーン社が開発した日持ちのよいトマト「フレーバー・セーバー」が実用化第1号である。これは、アンチセンスRNA法によってペクチン分解酵素の一種であるポリガラクチュロナーゼ遺伝子の発現を抑えており、完熟で収穫しても輸送に耐え、店頭でも日持ちするといった特徴がある。ほかにもアメリカでは除草剤耐性や害虫耐性の作物が相次いで商品化されている。これらのうち、厚生労働省が安全性を認め、国内に輸入されているのは除草剤の影響を受けないダイズやナタネ、害虫に強いジャガイモ、トウモロコシなどである。特に、イネに関しては、農業環境技術研究所がアトピー性のアレルゲン(アレルギーを起こす物質)であるたんぱく質を約30%に抑えた低アレルゲン米や酒に雑味を加えるたんぱく質(グルテリン)を減らした日本酒醸造用の低たんぱく米研究を行っている。農林水産省は2001年よりGMOであると判別できるものについては表示を義務づけた。