複数の細胞が融合し、単一の細胞膜で包まれ、核・細胞質が互いに混じりあった状態になること。通常、個々の細胞は細胞膜によって外界と隔離された生命単位として存在しているため、受精などの例外を除いては細胞同士が接触しているだけで融合が起こることはない。1957年、岡田善雄はHVJ(Hemagglutinating Virus of Japan)、またはセンダイウイルス(Sendai Virus)とよばれるRNAウイルスのもつ細胞融合活性に着目した融合法を発表、これにより人為的な細胞融合が可能となった。細胞融合を引き起こす物質の中でも、強力な細胞融合活性をもつHVJとPEG(ポリエチレングリコール)が実際に広く用いられている。細胞融合法は免疫細胞のハイブリドーマ(雑種細胞)を作り、モノクローナル抗体の生産を可能にした。