広義には、微生物や動植物細胞を用いて有用物質を生産するシステムのこと。狭義には、種々の方法で固定化した微生物、酵素、動植物細胞を触媒としてカラムに詰め、物質の分解、合成や化学変換などを行わせる充填型生物反応器を指す。既存の化学工業が、高温、高圧、強酸または強アルカリなどの条件を必要とし、多量の産業廃棄物を生み出すのに対し、生物の反応は、常温・常圧の下で、特定の物質にのみ作用して特定の反応を効率的に進めるという利点がある。このため、バイオリアクターの工業化の研究が進み、固定化グルコースイソメラーゼを使用したブドウ糖からの異性化糖シロップの製造、固定化酵母を用いたエタノールの連続生産などが行われている。