ヒトの遺伝子は基本的に誰でも同じであるが、実際には個人により微妙に異なっている。この微妙な差を多型といい、数百個の塩基からなる遺伝子中で塩基一つだけが異なっていることから一塩基変異多型(SNPs〈スニップス〉)とよばれる。最近は、一塩基多型またはSNPと表現されることもある。患者ごとに薬剤の効果が異なり、このSNPsが効果のある患者(レスポンダー)を識別する薬理ゲノムに活用できることが判明してきた。ヒトゲノム計画の次にSNPs地図(ゲノム上に存在する10万~20万種のSNPsタイピング)作製の競争が起こっている。レスポンダーと意味あるSNPsの関係が特許となり、新薬開発を左右するからである。この成果を応用することで個人ごとに薬を作るオーダーメード医療が可能となる。日本のSNPs解析は1999年より東京大学医科学研究所を中心に研究が行われている。