土壌や湖沼の底滓など自然の生態系が本来保有している浄化能力(自浄作用)を人為的に強化して、有害汚染物質を微生物により分解・無害化し、現場の修復を図る技術をいう。近年の急速な社会発展により、自浄作用にゆだねる限界をはるかに超えた高度汚染地域が各所で見られるようになった。このような汚染地域を対象に、有害物質を分解できる微生物を育種し、これを直接導入して能率的に汚染を除去しようとするもので、富栄養化湖沼の浄化などを目的とする長期対応型と、石油による汚染土壌の修復などを目的とする突発対応型に分けられる。バイオレメディエーション技術の特徴は、二次汚染の心配が少ない、現場処理が可能、エネルギーの投入が少ないなどがあげられる。ガソリン、ディーゼル油に汚染された石油精製所跡地土壌の処理、トリクロロエチレンなどに汚染された半導体工場跡地の現場処理の事例がある。