細胞内のDNA塩基配列から個人・個体を識別する鑑定法。ヒトのDNAは終生不変であることから、個人の特定ができることを利用して、犯罪捜査や親子などの血縁鑑定、さらには作物や家畜の品種鑑定にも応用されている。DNA鑑定は極めて信頼性が高い判定手段として認められているが、初期には数百人に1人の識別精度だった。現在では4兆7000億人に1人にまで飛躍的に向上している。しかし、初期のDNA鑑定ではいくつかの問題があり、1990年に起こった「足利事件」ではDNA型鑑定により有罪が確定したが、再審請求を受け、2009年の東京高裁の嘱託による再鑑定でDNA型不一致との結果が出ている。