生物学の幅広い研究領域を統合し、生命をより全体論的に理解しようとする学問。構成生物学ともいう。最近の合成生物学は、人工細胞(artificial cell)を作ることで生命への理解を深めるアプローチや、有用物質を生産する生物の作製も重要なテーマとなっている。2010年には、細菌のゲノムを人工的に合成して別の細菌に導入した結果、その細菌に人工ゲノムの遺伝情報に基づいてたんぱく質を発現させ、更に増殖させることにも成功した。しかし、自然界にない病原菌が作製される可能性もあり、安全性や倫理的な課題も生じている。