人類は生物を資源として用いてきたことから、各生物の固有の形質を生物資源(biotic resources)と呼んでいた。近年、バイオテクノロジーの発展により、生物への遺伝子操作が可能となり、遺伝資源という名称が広く用いられるようになった。しかし、遺伝資源には、研究により実用化の可能性が評価されてはじめて価値を生む、潜在的資源という意味合いが強い。一方、遺伝資源のソースである生物多様性(biodiversity)についても資源と見なされ、その保全と利用を目的に生物多様性条約の国際会議が開催されている。