ヒトゲノムの解読以降、様々な動物や植物のゲノムが解読されている。植物ではシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)から、イネや小麦などの穀物、最近では果物や野菜のゲノムの解析も行われている。野菜で解読されたのは、ジャガイモとキュウリで、現在3番目のトマトで解析が行われている。トマトは国内で最も多く栽培されている野菜で、高収量で有用な成分を豊富に含む品種の改良に役立つと期待される。また、ハクサイのゲノム解析が国際共同研究で行われる予定である。このように野菜のゲノム解析から、効率的な育種、遺伝子組み換えによる病害抵抗性付与の技術開発、更に、野菜類の安定生産のための植物ホルモンの動態の解明にも寄与すると考えられている。