組み換えDNAや細胞培養等のバイオテクノロジーによって製造される医薬品のことである。通常の医薬品は化学物質を主成分としているが、生物材料を起源とする医薬品も存在し、生物製剤(biologics ; biopharmaceutical)と呼ばれている。生物製剤には、その原料中に病原性ウイルスや未知の抗原性物質が存在する可能性があったが、その課題をバイオ医薬品は解決し、さらに大量製造を可能とした。その結果、1980年代には多くのバイオ医薬品が実用化した。なお、現在、化学合成薬の特許消滅後に発売されるジェネリック医薬品(generic drug 後発薬)が普及したように、バイオ医薬品にもバイオシミラー(biosimilar バイオ後続品)と呼ばれるバイオ医薬品におけるジェネリックが登場している。しかし、化学合成薬と比較して構造が複雑で、製造に高度な技術と多額の設備投資が必要であり、また、安全性や有効性の承認審査も厳しいことが参入障壁となっているため、バイオシミラーの品目数は増えていない。