フリーズドライ(真空凍結乾燥)は、インスタントコーヒーや宇宙食などの食品、あるいは医薬品の長期保存に汎用されている技術だが、それを精子保存に応用したもの。特殊な機器や設備が不要で、安価で簡便に保存できる。京都大学医学研究科附属動物実験施設の金子武人講師らの研究グループは、液体窒素で精子を凍結保存するのではなく、フリーズドライした後に冷蔵する長期保存法を開発した。フリーズドライを行った精子を、ラットで5年間、マウスで3年間、冷蔵庫で保存。その後、純水を加えて元に戻し、顕微鏡下で卵子と受精させたところ、仔を誕生させることに成功。得られた産子(仔)は成熟した後、正常な繁殖能力を備えていることも確認された。