がん抑制遺伝子。BRCA1またはBRCA2、二つの遺伝子のいずれかに変異があると、乳がんと卵巣がんを発症する割合が高くなることが知られている。2013年5月、アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーが、遺伝子診断でBRCA1に変異が見つかったために、予防処置として両乳腺切除手術を受けたことを告白して話題となった。また、このBRCA1/2の遺伝子診断はアメリカのミリアッド・ジェネティクス(Myriad Genetics)社が特許を保有して独占していたが、13年6月、連邦最高裁判所において特許無効の判決が出された。この判決は、天然のDNA配列は自然の産物であり、現在までに見つかっていなかったものを単離したというだけでは特許たり得ないという理由からであった。