ケガや病気で損なわれた組織や臓器に必要な細胞を補うことで、機能や形態を再生する医療のことである。具体的には、体から分離した幹細胞などをCPC(Cell Processing Center 細胞培養センター、細胞処理センターなどとも)と呼ばれる施設で培養、加工することで数や機能を調製して、点滴や注射で体に戻すことで治療する。がんの第四の治療法と呼ばれるがん免疫細胞療法も含まれる。札幌医科大学は、脊髄損傷患者の骨髄幹細胞を培養し、患者の静脈に投与して脊髄の神経細胞を再生させる治療法の治験を2014年から開始している。また、14年11月25日に施行された医薬品医療機器等法(改正薬事法)と再生医療等安全性確保法(再生医療新法)によって、再生医療を規制し、安全性を担保するとともに、医薬品や医療機器に新たなカテゴリーとして再生医療等製品を設け、条件・期限付きでの早期承認制度が導入された。15年には、テルモによる心不全治療用シート「ハートシート」(HEARTSHEET 同社の商標)と、骨髄移植時の合併症治療に使う、JCRファーマによる「テムセルHS注」(TEMCELL HS Inj. 「テムセル」は同社の商標)の二つの再生医療等製品が保険適用の承認を受けている。